前回の投稿で、人間の脳には「3つの異なるキャラクター」
が存在しているという話を書きました。
今回は、その話をもう少し詳しく見ていきたいと思います。
人間の脳は、このような3層構造になっており、
人間脳だけでなく、爬虫類脳、哺乳類脳に
語りかけるようなプレゼンテーションが必要、
という事でしたね。
では、それぞれの脳の役割、
キャラクターはどうなっているかというと、
以下のような特徴があります。
多くのビジネスにおけるプレゼンテーションは、「理屈」が中心です。
「この商品を使えば、◯◯%のコスト効率化ができる」
「これを使えば、競合他社に対して
◯◯の点で優位にビジネスを進められる」
など、よく聞く話ですよね。
でも、これだけでは、不十分なのです。
人間脳よりも、実は、爬虫類脳や哺乳類脳の
影響力の方が圧倒的に大きいからです。
そして、これらの爬虫類脳や哺乳類脳は
「言語を持たずに無意識」で判断を行います。
なんとなく、気に入らない。
なんとなく、好きになれない。
などの無意識の知覚を、我々は人間脳が後付けで
「もっともらしい理屈」をつけてNOと言っているのです。
一方で、YESという背景にも必ず、
「爬虫類脳や哺乳類脳の賛成」があります。
例えば、近年のプロモーションの中で、
恐らく最も成功している一つに挙げられるRIZAPを考えてみましょう。
RIZAPのプロモーションでは、以下のような
BEFORE ➔ AFTER の映像(画像)が出てきます。
ここでは、「ごちゃごちゃした理屈」は一切語られません。
言語的なメッセージは、「結果にコミットする」
という極めてシンプルなものです。
しかし、私は、このシンプルなコミュニケーションの中に、
極めて効果的な爬虫類脳や哺乳類脳への
コミュニケーションが含まれていると感じています。
CMの中では、印象的な音楽の演出とともに、
太って、見るからに元気なく、落ち込んでいる人が、
魅力的なプロポーションで、輝いている様子を描写します。
しかも、それを、魅力的な男性と女性の交互に見せるパターンが多いです。
RIZAPに入ろうと考えている男性や女性の中には、
その理由として
「健康診断で痩せた方が良いと言われた」
「健康のためには食生活・運動習慣を見直す必要があると感じた」
などのもっともらしい理由を言う人がいるかもしれません。
しかし、深いところでは、(本人が意識しているかどうかはさておき)
絶対に以下のような事を爬虫類脳、哺乳類脳が感じ取っています。
RIZAPのプロモーションは、こうした事を全て理解した上で、
どのように働きかければ、爬虫類脳や哺乳類脳の欲望を喚起できるか?
という観点で緻密に計算されて仕掛けられています。
つまり、
「生存、生殖、ステータス」を優先する爬虫類脳さん、
そして、
「快・不快などの情動や、仲間内での承認欲求」を優先する哺乳類脳さん
へ強力な欲望トリガーがあの映像の中には埋め込まれているのです。
あとは、人間脳が納得できるだけの「理屈」があればOKですね。
◯本当に、みんなこれだけ痩せられているのか?
◯料金はRIZAPによって得られる未来に見合うだけの価値がありそうか?
という点を最後に、実際に店舗に来た人にFACTベースで示す事で、人間脳までも丸め込み、無事、入会、という事になります。
これは、本当に大事な事ですが、
人間脳にだけ話しかけても、絶対にうまくいきません。
私たちはプレゼンテーションを作る際に、人間という生き物がどのような生き物であるかをよくよく理解しなければいけません。
人間脳の後ろには、強力な爬虫類脳さんと、哺乳類脳がいて、裏で人間脳さんをコントロールしているのです。
効果的な働きかけを行う事で、そのプレゼンテーションの成功確率が飛躍的に向上します。
これは、RIZAPのようなBtoCのプレゼンテーションに限りません。
BtoBの企業におけるプレゼンテーションでも間違いなくそうです。
あなたのプレゼンするサービスや商品が、
どれだけ理屈の上で魅力的であったとしても、
それを判断する人間の爬虫類脳や哺乳類脳に
嫌われる要素が入っていただけで、
「絶対に採用されない」のです。
これを意識する事で、私達の作るプレゼンテーションは
より良いものになっていきますので、
是非意識してみましょう!!
追伸)
この「3つの脳」を理解する上で
すごく秀逸な本をご紹介します!
すごく分かりやすくて、
しかも面白いです!